リビングルームのようにくつろげるカフェ。食を通じて人々が集う空間を、水谷吉法の『Hanon』が飾る
2016年12月3日、国道246号線と外苑西通りの交差点にオープンしたディーン&デルーカ カフェ青山は、食のセレクトショップが展開するカフェとして、充実したフードメニューと居心地のいい空間・時間を利用客に提供している。グレーのタイルで覆われた2階の大きな壁面に佇むのは、国内外から注目を集める若手写真家、水谷吉法の作品「Hanon」だ。リビングルームのようにくつろげるカフェには、アートフォトが必要な選択肢だったと、ウェルカムグループ代表の横川正紀さんは語る。
「お客様に家の中でくつろぐように過ごしていただく。そのうえで毎日を過ごすリビングルームに花を飾るような感覚でアートがあったらいいなと思い、アートフォトを飾っています。カフェは多くのお客様がリラックスするための止まり木的な場所でもあるので、川鵜の大群が電線の上に止まっている水谷さんの『Hanon』を選ばせていただきました」
カフェのようなくつろげる場所ができると、生活者は新たな憩いの場所を求めて足を運ぶ。家と職場・学校以外の居心地のよい場所をサードプレイスと呼ぶが、ディーン&デルーカ カフェは誰かのための第三の場所になるだけでなく、店そのものが街の顔として認知してもらえることを目指しているという。去る4月27日には、名古屋城周辺の緑が気持ちいい名城公園内に名古屋エリア初となる店舗をオープン。ここにも水谷の「Hanon」が壁を飾られている。
「将来的には複数店舗でアートフォトの展示に取り組んでいけたらと考えています。作家の方々とテーマ性をもった展示ができたならば、発信や表現のための場所になり得るし、お客さんには偶然アートフォトという価値と出会える場所になり得ます。ギャラリーで写真と向き合う時間は個人的に好きですが、求めた出会い以上に偶発的な出会いはもっと素敵。そうやってお店と作家とお客様の間に新しい関係性が生まれたら、場所としてカフェの価値が上がっていきます。食卓を彩る器を選ぶのと同じように、アートフォトを楽しむ人が増え、作家さんの活動が広がってくれたらうれしいですね」
店名 DEAN & DELUCA CAFE AOYAMA
住所 〒107-0061 東京都港区北青山3-2-2
店名 DEAN & DELUCA CAFE MEIJO PARK
住所 〒462-0846 愛知県名古屋市北区名城1-4-1 名城公園内 Tonarino 2F
掲載元:IMA ONLINE、アートフォトと空間デザインの“いい関係”(後編) ディーン・アンド・デルーカ カフェ アオヤマ
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