野鳥写真家・水中伸浩「すべては観察から生まれる」

野鳥写真家・水中伸浩「すべては観察から生まれる」
Text by Sachiko Takahashi
Photographs by Nobuhiro Mizunaka

野鳥写真家・水中伸浩さんが今年5月に発売した写真集『Art of Wildbird』。発売が自粛期間と重なり、多くの書店が営業を休止する中での発売となってしまいましたが、ネット販売を中心に発売からわずか10日で増刷。売れ行きは好調のようです。

珍しい鳥やカラフルな鳥ではなく私たちのごく身近に見られる野鳥を、絵画を描くように撮られた作風に、野鳥ファンや写真ファンだけでなく、多くの人が魅了されています。
その撮影の裏側にある信条と、知られざる秘話をお聞きしました。

表紙を飾った「計算外」の野鳥写真

ーー写真集『Art of Wildbird』が話題になっています。まずはカバーを飾った写真のことを、お聞きしてもいいですか?

水中伸浩さん(以下、水中) サンコウチョウの巣立ちの場面です。これは数年間、毎年のように通っていた山で撮影した写真なんです。そこはサンコウチョウがあちこちで営巣しているんです。同じ場所で何年も観察しているので、「毎年、何月何日頃にヒナが巣立つのか」ということはわかっていました。
人がウロウロしているとすぐ営巣を放棄してしまうので、その年の最初に営巣しているのを確認したら、あとはあまり巣の周辺には近寄りません。離れた所から、餌を運んでいるかどうか、順調に子育てが進んでいるかを時々確認して、ぼちぼち巣立つかなぁという時に撮影に行くんです。
その年は、珍しいことだと思うんですが、前日の夕方に一羽だけヒナが巣立ってしまったんです。たぶん残りは翌日の早朝だろうと予想してその日は山を降り、翌朝に巣立ちを待って撮影した一枚です。ただ、あの木に留まるとは思っていませんでした。

サンコウチョウの巣立ち
@PASHADELIC press

ーーそうなんですか。

水中 巣立ち直後のヒナは、なかなか高い所まで飛べないんですね。特にサンコウチョウはすごく幼い状態で巣立つので、飛び方も蝶々みたいなんですよ。ヒラヒラヒラーと頼りなく飛ぶんです。しかも自分で方向を変えられず、しんどくなったらそのまま落ちる、という飛び方を繰り返すんですね。だから巣立ち直後ならあれほど高いところには留まらないんです。お昼頃になってだいぶ力がついたのかも知れません。
親がエサを運んできた何分かの間だけでしたが、思っていた以上の一枚が撮れたというまれなケースでした。

冬鳥の「春」を撮る

ーー水中さんが野鳥を撮り始めたきっかけは?

水中 冬に近所を散歩している時、たまたま初めてジョウビタキという鳥を見たんです。身近にこんなきれいな鳥がいることにびっくりして、写真に撮って記録していきたいと考えたのがきっかけです。
でも撮り出すと、こう撮りたい、こういう風に組み立てたいという欲が次々と出てくるものですから、今では記録とかの考えは一切頭の中から消えてしまいましたが。

ーー写真はデジタルから始められたのですか?

水中 いろんなカメラは使っていましたが、本格的に撮り出したのはデジタルです。父親が写真家だったんです。写真集も何冊か出ているんですが、京都の北山の写真だけを撮っていました。子供の頃からいろんな場所に連れて行かれ、カメラを与えたりもしてくれたんですが、そのためか逆にカメラや写真を鬱陶しく思っていた時期もありました(笑)。
だから本格的に撮り出したのはデジタルになってからですね。

ーーお父様も写真家さんだったんですね。

水中 京都で観光局の仕事をしていました。駅の構内に貼り出される旅行ポスターを撮ったり。駅で父の写真を見かけると子供心になぜか恥ずかしかったんですよ。だから、そんなに影響を受けたとかそんな気は全然しないんですけどね、撮っているものも違いますし。

ーーでも水中さんの写真の絵画的なセンスは、受け継がれたものかもしれないですね。

水中 どうなんでしょう。父の写真には、東山魁夷を彷彿する、引き込まれるような静謐さがあるとは感じます。が、自分に関してそういう部分があるかと言われると……自分ではわからないですね。

ジョウビタキと桜
この辺りを縄張りにしていることは毎年12月頃に確認していたので、既にイメージは出来上がっていた。後はいつまでいてくれるのかという時間との勝負だったが、この年は幸運にも桜の時期まで残ってくれた @PASHADELIC press

ーー水中さんが撮られたこのジョウビタキと桜の写真も、日本画的なセンスを感じます。

水中 ここはわりと家から近くて、日常的にチェックしている場所。散り積もった桜の中でジョウビタキが撮れたらなと思っていたので、毎年冬になると、鳥の居場所をチェックをしていたんです。
撮影の何年か前の12月に、僕が目をつけている場所の近くに縄張りを張っているオスがいたんですね。もし3月の終わりまでいてくれたら、散った桜の上を歩く姿が撮れるかも、と毎年期待して狙っていたんです。すると、この年だけ春まで残っていてくれて2日間撮影するチャンスがありました。
2日間だけでしたが、ばっちり狙い通りの写真が撮れました。そこの桜は花色が鮮やかだったので、インパクトが強くなりました。だからこそ狙っていたんですけど。

ーーここは公園のような場所なんですか?

水中 お宮さんなんですよ。あまり人も来ないところなので、鳥さえ出れば撮れる可能性は高いとわかっていて狙いました。人の多いところでは、いざという時に何かに邪魔されるということが起こりえますから。やっぱり難しいですよね。山では野生動物が天敵になりますが、市街地だと人に邪魔されてしまう。でもこれは文句言っても仕方のないことですから。
ジョウビタキは日本でも繁殖していますが、基本的には冬の鳥ですから、そういう鳥を春のイメージに絡ませたら面白いのでは、と発想して狙った一枚です。

自然は常に変わり続けていく

水中 鳥の写真に関しては、あまり影響を受けた写真家さんも実はいなくて。自分の思ったとおりに撮りたい人間なので、誰かの写真を見て「こんな風に撮りたい」と思ったことが全然ないんです。あえて言うなら、若い頃に好きでよく見ていた映画のライティングの記憶が、無意識に影響を及ぼしているかも知れません。

ーー映画なら光を当てたり、俳優さんが演技をしてくれるわけですが、自然は思い通りにならないですよね。そのあたりはどのように?

水中 僕の場合はとにかく観察に時間をかけます。観察すればある程度の動きはわかるんですよ。
例えば、ある理想的な環境に、自分の撮りたい鳥がいたとしたら、その場での鳥の動きを徹底的に観察するわけです。人をどの程度意識しているか、どの位置に留まるのか。何日、何週間と見ているとだいたい鳥の動きが読めてきます。「あの辺から出てきたら留まるならこの辺だな」「今あそこにいるから次飛ぶならあっちへ行く確率が高いな」とか。すると「そこに留まるなら背景はどうする?」と思考できるようになるわけです。
僕はすごく背景にこだわるので、「あそこに留まるなら、撮影位置はあの辺り、白を入れるときれいに撮れそうだ」「30cm右へずれれば画面に写り込む左の枝はフレームアウトできる」と細かくシミュレーションします。
さらに「思った通りの場所から鳥が出てくれば顔は右向きだから右側にスペースを空けておけば完璧だ」という状態まで作り込んで待つわけです。そこまでできたら撮れたも同然なんです。
思わぬ所から出た鳥を慌てて撮ると、どうしても詰めの甘い写真になってしまいます。なので「あとはシャッターを押すだけ」というところまで体制を整えて撮るように心がけているんですよ。

アカゲラ
ここを飛ぶことがわかっていても、飛翔時の軌道が微妙に上下にズレるのでなかなか思うような背景にならなかった。ヤマフジは好きな花なので多くの野鳥と絡めて撮影してきたが、そんな意味でも思い出深い一枚となった @PASHADELIC press

ーーこのアカゲラも、予測のもとに撮影されたということですね?

水中 ここは毎年通っていた山で、周りの環境はだいたい頭に入っているわけです。そして「こういう風に飛ぶということは、裏に回ればあのフジの木の前を通るな」と推測して、今度は山の斜面を降りて裏に回って観察すると思った通りフジの木の前を飛んでいる、と。
でもやはり木との距離、飛ぶ高さはその時によるじゃないですか。そういう変動する軌道というものには翻弄されましたけど、幸い撮影を続けていた10日間くらいの間に何回か理想に近い軌道で飛んでくれる機会があり、撮影することができました。僕としてはまだもうちょっと不満の残る一枚ではあるんですが(笑)。それ以上は粘っても無理、というのもありますしね。

ーーさすがに見切りをつける時もあるんですね。

水中 時期が来れば飛ばなくなるし、花もなくなる。その年は諦めますが、翌年にまた狙う。でもここは確か、次の年にサルにフジが食われてしまったんです。何年もかけて見つけた撮影ポイントが一瞬にしてなくなってしまった。
天災ではそういうことはよくありますよね。台風で道が崩れたり。でもサルに食べられたのは予想外でした。集団でムシャムシャと……。やめてくれー! という感じです。もう同じ場所では当分花は見られないでしょう。
当然のように来年も花が咲くと思っていると、そうはならない。面白いといえば面白いですが、その時はめちゃくちゃ落ち込みますね。

ーーまさかサルに幕を引かれるとは……。

水中 自然の中に身を置いていることを痛感させられる場面ですよね。もちろん理屈ではわかっていますが、撮っている時はそんなこと考えていませんから。
だから、追い込み切れなかったことに若干の不満が残った一枚ではあります。もちろん翌年撮影できたとしてもこれより良かったかどうかは分かりませんが。準備万端と思ってもミスするかもわかりません。でも上手くいかないからこそ面白い。

山奥にある沼の、野鳥楽園での出会い

ーー次のササゴイの写真もすごく雰囲気がありますね。

水中 滋賀県のとある山の山頂なんです。向こうまで150m以上もある大きな沼で、周りはすべて照葉樹に囲まれているので日中もうす暗い。
僕はそもそもアカショウビンを撮影しようと思ってここで何年もロケハンを続けていたんですね。するとある年、ふっとカワセミが飛んでくるのが見えた。しばらく観察して、定期的にカワセミが出てくることがわかった。他の鳥も含めてさらに情報収集しようと、ブラインドを張っていると、夏になって突然ササゴイの幼鳥が現れたんです。
沼には、崖が緩んだりして倒木もたくさん浸かっていて。その上をササゴイが歩いて、枯葉や虫を捕まえては魚釣りをするんですよ。

ササゴイ
山でブラインドに篭っていた夏、ササゴイの幼鳥が現れ枯れ葉や昆虫を疑似餌にして魚を捕まえようとしていた。薄暗く映り込みが美しい沼なので、ここはどうしても幻想的な水鏡のイメージに仕上げたかった @PASHADELIC press

ーー鳥が魚を釣るんですか!?

水中 そういう鳥なんですよ。しかもこの年生まれた幼鳥ですから、教えてもらったわけでもなくやるんです。不思議ですよね。
僕としてはそんな行動を見せてもらうのはすごくうれしいんだけど、倒木の上を歩いてばかりで、なかなか絵にならない。細かい枝がごちゃごちゃしている中を歩くので、絵としてスッキリと見えないんです。
すごく水鏡の美しい場所なので、なんとか岸に降りて、水に映り込む姿を見せてくれないかなあとじっと待っていたわけです。そうしたらその日だけ、倒木から降りて、この写真を撮った岸辺に行ってくれたんです。最初は枯葉で釣ろうとしていたんですが、すぐに諦めてガガンボを捕まえて魚を採ろうとしているのがこの写真です。
ちなみに、この場所で撮ったカワセミの写真も、写真集に含まれています。

人気のない場所のためか、ここに棲む野鳥たちはまったく人慣れしていなくて、めちゃくちゃ警戒心が強かったです。そういう場所で不用意に人間が姿を見せると、二度と戻ってこないので、細心の注意を払う必要があります。
狙い始めて3、4日で撮影できたので、僕としてはものすごく短い期間で撮れた方なのですが、緊張感と気合いはすごく入りました。

野鳥写真家が見逃していた事実

ーー次のミサゴの写真は、飛び散る水滴が輝く印象的な作品です。

水中 これは実は狙って撮ったわけではないんです。ただ、良いシーンがあったら撮ろうと、いろんな鳥の状況を見ていた時期の写真です。ミサゴはだいたい同じ所に飛び込むことがわかっていました。あとはどこを通るか。高い場所だと見上げた写真になって面白くないと思って、そこそこ低く飛んだ時を狙って、強い逆光気味になって水しぶきでも飛べば面白いだろう、と思っていたらまさにその通りになったという。
だいたいびしょ濡れになった時はブルブルッと頭を振りますからね。たまたま僕の前で水を飛ばしてくれました。

ミサゴ
大きく身震いして飛ばされた飛沫が太陽に照らされて美しく光る。背景さえ間違わなければこれだけで絵としては完成だが、ここでの獲物は希少なゲンゴロウブナ。このことで身近な自然の豊かさがより伝わる一枚となった @PASHADELIC press

水中 面白いのは、生きもの好きな方が、逆にミサゴが捕らえたゲンゴロウブナの方に注目されていたことです。琵琶湖淀川水系の固有種なんですよ。珍しいので釣り人に人気の魚だそうなんです。そういう希少な魚の、しかも大きいのがいるということを、奇しくも伝えることのできる写真になりました。撮影場所の自然の豊かさがわかる一枚になったなぁ、と、後からお話を聞いて思ったりしたんですよね。

ーーそこまでは知らずに撮影されていた。

水中 そこまではわかっていなかったですね。生きものの写真というのは別の生きものとつながったりすると面白いところもありますよね。僕も採餌シーンを撮ることも多いので、鳥以外の生きもの好きの人たちも一生懸命見てくれています。僕は専門じゃないのでなかなか覚えられませんが。

ーーそういうお話を聞くと、より自然への理解が深まります。

水中 そうなんですよ、だから他の生きものに詳しい方が見ると、撮った場所がわかるようです。「この鳥がこの虫を食べているということは、こういう環境に生息する虫だから、こういう場所で撮っているんですね」と。他のジャンルの生きものに詳しい人とのつながりは、大切にしたいなと思っています。

どんな困難も受け止めて乗り越える

ーーこのゴイサギは、自然ではなく街なかの写真ですね。

水中 ゴイサギは、ここ何年もずっとメインで観察している鳥です。昼間の写真は結構撮ったのですが、基本的に夜行性の鳥なので、夜も撮りたいなと考えたんです。
僕が撮影しているのは京都の真ん中を流れる鴨川です。そういう所で生活をしているんだから、その場所らしい夜景を入れたいと思って、調べたり様子を見ていたんです。京都のゴイサギはすごく人慣れしていて、昼間は向こうから寄ってくるくらい。5mくらいの距離から撮影できるのですが、夜になると警戒心がすごいんですよ。25mくらい離れていても許してくれない。だから最初はできるだけ近づこうと思っていたのですが、途中で作戦を変更しました。予想外のことが都度出てくるのでそのたびに作戦変更。やっと撮れたのがこの写真です。

ゴイサギ
ゴイサギは夜行性の鳥なので夜の姿を、しかも都会を流れる川で生活しているのだから背景ははっきりと夜の街とわかるように。とは言え不慣れな夜の撮影、試行錯誤を続けながらなんとか形にできた一枚。色々な意味で、実に手強かった @PASHADELIC press

水中 夜景をすっきり写すには、空気の澄んだ冬が一番。なので冬に胴長を履いて、鴨川に入って撮りました。

ーーえ! 川に入って撮ったんですか?

水中 川に入らないとイメージしたアングルにならないので。
でも、京都の中心的な場所ですし、そういうところを胴長で歩いているわけじゃないですか。この何年間は、人の視線を感じながらの撮影でした。撮っている時は気合が入っているのでそれほど気にしていないのですが、時々気づくと人だかりができていることもありましたね。夜の鴨川に入って三脚を立てている変なおっさんを皆が携帯で撮っている、という(笑)。

ーー自分が被写体になっちゃってた!

水中 そうそう。俺を撮っているのかい、お前ら、みたいな。これはライティングをしないと撮れない写真で、妻にも手伝ってもらっていたんです。電話で連絡を取りながら川岸で光の角度や強さを調整してもらいながら撮影していたんですが、川から上がると「今日は50人くらいに撮られてた」とか「今日は80人くらい」とか。それだけいたなら、どこかのSNSに写真が上がってるかも知れないですね。その写真、僕も欲しいんですけど(笑)。

ーー何気なく撮られているように見えますが、すごい状況だったんですね。

水中 そうですね。「こういう背景にしたい」と思うと場所が限られてきますから。これは川の中に入らなければ仕方ないな、と当たり前のように自分では思っていますけどね。それが面白がられていること自体が、僕も面白かったです。

野鳥写真家の撮影機材

ーー機材はどんなものを使用されているんですか?

水中 以前はキヤノンがメインだったのですが、オリンパスからOM-D E-M1 MarkⅡが発売された時、初めてオリンパスのカメラを使うようになったんです。以降はほぼオリンパスで、今は完全にオリンパスですね。

ーーそうなんですね。オリンパスのカメラの魅力ってどんなところですか。

水中 山を歩くことが多いので、今まで600mm、800mmとなると総重量10何kgの機材を背負って登るのが厳しかった。機材が小型軽量になった分、今まで諦めていたことができるし、それだけシャッターチャンスも増えます。最初はセンサーサイズの小ささを危惧していたのですが、今では完全に信頼しています。
手ぶれにも強くて、例えば山の渓流とか三脚も立てられない場所で、600mmを1/15秒で安心して手持ちで撮影できるのはすごく助かります。それこそ、今まで撮れなかった写真がこのカメラで撮れるようになりました。
あと、すごく知ってもらいたいのは、センサーにゴミがつかないこと! 使い始めて何年も経ちますが、本当に気になったことが一度もないんです。メーカーの人ももっと宣伝したらいいのにと思います。
ゴイサギのような水辺の撮影にもすごく強いし、僕のようなフィールドカメラマンにとっては本当に頼りになるカメラなんですよ。

良い写真、でも腑に落ちない写真

ーー最初に伺った、サンコウチョウの写真。この写真で、本を「ジャケ買い」した人も多かったとか。

水中 この写真を撮った時、「すごい写真が撮れた」とは思いました。針葉樹の薄暗い森の中ですから、そういう場所ならではの雰囲気というのが出ていると思いますね。
ただ、僕としては「ここに留まるだろう」と狙った場所で待ち構えて撮ったわけではないので、そういう意味では悔しい写真でもあるんです。

ーーなんと。

水中 偶然性を極力排除した状態で撮影したい人間なので。追い込んで追い込んで、よしきた! で撮りたいんですが、自分の読みとはちょっと違うことをされると、すごく不本意な気持ちになります(笑)。良い悪いではなく、ちょっと腑に落ちないというか。

ーーしかもそれがカバーになってしまって。

水中 写真集の表紙は、この写真がいいなとは思っていたのですが、ちょっと暗いという意見もあって。もう少し明るい方が人目を引くんじゃないかという考えもあって。でも最終的には編集者さんとのディスカッションを経てこれに決まりました。

Art of Wildbird

野鳥写真を通して伝えたいメッセージ

ーー写真集を通じて、一番水中さんが伝えたいメッセージとは?

水中 僕の中に「当たり前にその辺にいる鳥を、誰も見たことのないようなかたちで撮りたい」ということが基本的な考え方としてあります。そして写真を見てもらって「こんな鳥があなたの住んでいる街にもいるんですよ」と伝えたい。
今まで身近な生きものに興味がなかった方に、ふっと自然に目を向けたり、環境に配慮した生活にシフトしてもらえるきっかけになる写真を撮りたいな、という風に思っていたので、結果的に表紙に惹かれて本を買ったと言ってくださる方がたくさんいたことは、すごくうれしかったです。
どのくらい裾野が広がっていくのかはわからないですが、これからも、身近な鳥の魅力を発信し続けていきたいですね。

掲載元:PASHADELIC、 〈インタビュー〉野鳥写真家・水中伸浩さん「すべては観察から生まれる」

写真集『Art of Wildbird』

この記事で紹介した以外にも、カワセミやエナガ、オシドリ、シジュウカラ、ユリカモメなど、全36種類の野鳥の美しい姿を収録。

サイズ:天地195mm×左右220mm 72ページ ソフトカバー
価格: 1,600円(税別)
発行元:青菁社
https://www.seiseisha.net/seiseisha-books/artofwildbird.html

PROFILE

水中伸浩

水中伸浩

水中伸浩

地元のフィールドを中心に野鳥撮影を続けている。身近な普通種こそ大切にし、同じ鳥をじっくりと時間をかけて観察することにより、できるだけ美しい1枚に仕上げることを心がけている。
日本自然科学写真協会(SSP)会員、オリンパスカレッジ講師。
https://nobbyy.wixsite.com/photobird

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PASHADELICとは、“写真ライフをもっと楽しく“をミッションにした、絶景写真を撮影するためのコミュニケーションプラットフォームです。世界中のフォトグラファーと美しい風景写真を共有し、撮影の奥深さや楽しさを発信し続けています。