SNS時代の賜物。写真×スマホの可能性を追求する。

SNS時代の賜物。写真×スマホの可能性を追求する。
Text by Koichi Miyase

こんにちは、フォトグラファーとして、またアートディレクターとしても活動している宮瀬浩一(@koichi1717)です。今回は、著者の1人として執筆している『SNS時代のフォトグラファーガイドブック』(以下、著書)で、私が担当した第6章「スマートフォンによる新たな写真表現」の内容の一部を特別にご紹介していきます。

SNS時代のスマートフォン撮影をアートディレクターとしての視点からも考えてみました。


通勤時間の電車内で、ふと周囲を見回すと多くの人がスマホでSNSをチェックしていたり、なかには投稿している人も……なんていう光景はもう当たり前になってしまいましたよね。総務省の調査(「令和元年版 情報通信白書」)によると、スマホの普及(個人保有率64.7%)とSNSの利用率(個人60.0%)は比例するように伸びており、いまやSNSがスマホ利用の中心になっていると言っても過言ではありません。

ではSNSとスマホはどんな点で相性がいいのでしょう?

場所や時間を選ばずに更新・チェックできる

田舎の町並み

スマホがこんなに普及したのは、その携帯性と常にネットに接続可能なことにあります。どこに行くにも肌身離さず持っていて、しかもちょっとした時間があれば簡単に更新やチェックができるのですから、SNSとの相性は抜群ですよね。


進化し続けるSNS アプリの魅力

いまや写真共有SNSの代表とも言えるInstagramはiPhone用アプリとして開発され、その後Androidにも対応したスマホ・モバイル向けのサービスです。

スマホに最適化したアプリだけあって、その機能やユーザビリティーは、改良を重ねながら日進月歩で進化しています。写真編集機能も充実しているので、上手く使いこなせば、スマホで撮影→編集→投稿コメントの返信まで、このアプリで完結できてしまいます。

また、FacebookやTwitterなどのSNSとも連携できるので、Instagramで作成したコンテンツを様々なメディアに展開でき、省力化の観点からも有効なツールです。

スマホの写真編集アプリがすごい

撮影した画像をパソコンに取り込んでPhotoshopなどの編集ソフトで編集加工する。確かに、過去にはその方法しかありませんでしたよね。

それが、スマホが世の中に登場してわずか10年ほどの間に、なんと便利になったことでしょう。パソコン用の編集ソフトに匹敵するような機能を持つスマホアプリがたくさん開発され、無料のものも少なくありません。これらを上手く使えば、いつでもどこでも手軽に高度な編集加工ができてしまいます。

Processed with RNI Films
Processed with RNI Films

スマホ1台でSNSのソースを集約管理

SNSで写真を投稿するのに必要となるものは、画像データ・キャプション・ハッシュタグなどのテキストデータがあります。これは私の管理方法ですが、スマホのデフォルト機能やアプリ、サービスを上手く利用することで、スマホ内でほとんど完結してソースの管理ができ、投稿もスピーディーに行えます。

Step,1 画像の管理方法

クラウドストレージを利用して画像データを管理。必要な時に画像をダウンロードして使用することでスマホのメモリ負担を軽減しています。

Step,2 テキストの管理方法

iPhoneデフォルトのメモアプリを利用しています。キャプションやハッシュタグのテンプレートを作って管理し、コピー&ペーストで効率的に投稿コンテンツを作成します。


SNSを見る時と同じ環境で写真編集をする利点

夕暮れの稲穂畑を歩く女性

パソコンで編集加工した画像をスマホに転送したときに、何かイメージが違うなと思ったことはありませんか?大きなサイズで見ていたものが、小さなスマホの画面に表示されるとやはり印象が大きく違ってしまうものです。

SNSを見る人が「スマホで見る」という前提で考えると、写真の編集加工をスマホですれば、自分が作成したコンテンツをできるだけそのままのイメージで見てもらうことができます。スマホの誕生で生まれた、撮影からすべてを一貫してスマホで完結するモバイルフォトグラフィーというスタイルも、SNS時代の1つのフォトグラファーのスタイルとしてすでに世界的に地位を確立しています。

撮影のスタイルはさておき、いずれにしても、スマホの使いこなし方でSNS時代のフォトグラファーの「戦闘力」に大きな違いが出るのは間違いなさそうです。


フォーマットごとの性格

ここでまず、3つの写真のフォーマットが、一般的にどんな性格を持っていると言われているかについてご紹介しておこうと思います。フォーマットはそれぞれに個性があるため、どれを選択するかが写真のテーマや被写体、構図に大きな影響を与えます。ただこれは一般論ですので、あくまで参考程度にお読みください。

《横長写真》2:3/3:4/9:16

都市のビル群

・水平方向のラインが強調されるため、広がりを表現したい風景写真などに向いている

・2:3は人が最も美しいと感じると言われる黄金比に近く、構図がとりやすい

・余白を作りやすく、動きを表現しやすい

《縦長写真》3:2/4:3/16:9

都市の街並み

・垂直方向のラインが強調されるため、高さや奥行きを表現しやすい

・幅が狭いがゆえ中央に視線が行きやすく、メインの被写体を強調しやすい

・被写体が占める割合が多くなるのでポートレートに向いている


《正方形写真》1:1

道路を渡る男性

・上下左右への視線移動が少ないので、被写体を強調しやすい

・余白ができにくいため、構図に強さが生まれやすい

・シンプルな形体ゆえ、シンプルな構図が向いている

SNSではどのフォーマットを選ぶべきか

Processed with RNI Films
Processed with RNI Films

では、どんな写真のフォーマットがSNSに向いているのでしょう?

現在、写真を共有するSNSはInstagramやFacebook、Twitter あたりが主流だと思います。SNSはスマホで見ている人が主流ですから、写真の縦横比についてもスマホでの表示のされ方を意識することが大切だと思うのです。各SNSの表示画面は、スマホの画面に合わせて最適化した設計になっています。メーカーや機種によって多少の違いはありますが、スマホの画面は16:9から2:1までの比率の縦長です。

SNSの表示画面の横はスマホの幅で固定され、縦はスクロールして見せるという設計になっています。Instagram、Facebook、Twitter のどれもが、スマホを回転しても横長にならない固定型の画面設計なので、写真表示の大きさという観点で見ると、SNSの表示画面は縦長に強く、横長に弱いと言っても間違いはないでしょう。


まとめ

自分のスタイルとフォーマット

私の場合、現在のところSNS(Instagram)に投稿する写真はポートレートフォーマットの縦長写真と決めています。

理由は表示された際の見た目にインパクトがある最大表示サイズを使いたいことと、フォーマットを統一したかったからです。縦長写真のポートレートフォーマットの中に、いかにその風景を美しい構図でとらえるか?その風景の印象を表現するか?これが私の写真共有SNSの楽しみ方であり、自分らしいスタイルのつくりかたになっています。

写真共有SNSにおいてフォーマットを自分のスタイルに反映することは、差別化という意味においても、とても重要な要素と言えるでしょう。

スマホとSNSが普及した今だからこそできる、写真表現の「自分らしいスタイル」って…? そんなことも考えながら、SNSを楽しんでいただければと思います。

私の写真とSNS

#私の写真とSNS

#私の写真とSNSの関係は、どちらもあるからこその面白さがあり、気軽に共有でき、周りとつながることができたのでしょう。

この記事を読んだ方は、ぜひSNSで「#私の写真とSNS」を自分の体験談・見解などつけて呟いてみてくださいね。もちろん本を読んでいない方も大歓迎です。十人十色のSNS。いろんな使い方を教えてください。
ハッシュタグでつながるのも、またSNSの醍醐味の一つではないでしょうか。

著書の続きが気になるあなたへ

第6章の続きとしては、より実践的なスマホでの撮影の方法やそれに必要な機材、またスマホでのマニュアルでの撮影や写真編集には欠かせないアプリなども実践を交えて紹介しています。ぜひご検討ください。

これらが掲載されている『SNS時代のフォトグラファーガイドブック』は玄光社より11月20日(水)に発売しました。

掲載元:xico、SNS時代の賜物。写真×スマホの可能性を追求する。

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